【2026年8月改正】高額療養費制度が変わった|自己負担の上限額と新設「年間上限」をわかりやすく解説
⏱ 30秒まとめ
- 👤 対象になる人
- 医療保険に入っている人全員(会社員・自営業・年金受給者など)
- 💰 何が変わった
- 1か月の上限額が上がり、新しく「年間上限」ができた(例:区分ウは+5,700円)
- 📅 いつから
- 2026年8月1日の診療分から。申請は不要で自動的に適用
- 🏢 どこへ
- 加入している健保組合・協会けんぽ・市区町村の国保窓口
✅ あなたは対象? 3問チェック
- 2026年8月以降に病院で大きな医療費を払いましたか?
- 限度額適用認定証やマイナ保険証をまだ使っていませんか?
- 毎月の通院が多く、医療費がかさんでいますか?
👉 まずやること:まず自分の所得区分を確認し、限度額適用認定証かマイナ保険証を準備する
📢 ご利用前に必ずお読みください
当ブログは、給付金・補助金・控除制度について少しでもお手伝いや応援ができればという思いで情報を公開しているだけのものです。記事に誤りが含まれる場合があり、掲載内容が絶対に正しいとは限りません。
ご自身の支給可否・金額・申請手続きは、必ず市区町村役所・年金事務所・税務署・健康保険組合・ハローワーク等の公式窓口または社労士・税理士などの専門家にご確認ください。→ 免責事項の詳細
結論:2026年8月の受診分から、高額療養費制度の自己負担限度額(70歳未満)が引き上げられ、新しく「年間上限」という仕組みが始まりました。たとえば年収約370〜770万円の人は、1か月の上限が「80,100円+1%」から「85,800円+1%」に。会社員も自営業も、医療保険に入っている人全員に関係する変更です。窓口での手続き(限度額適用認定証・マイナ保険証)自体は変わりませんが、「前と同じ金額のはず」と思い込むと、払いすぎや戻り忘れにつながりかねません。※本記事は2026年10月12日時点で確認できた公表内容・専門家解説をもとに整理したものです。所得区分の判定や年間上限の正確な金額は、加入している健康保険組合・協会けんぽ・市区町村の窓口で必ずご確認ください。
何が変わったのか(全体像)
高額療養費制度は、医療費の自己負担が一定額を超えたときに超過分が戻る仕組みです(基本の仕組みは高額療養費はいくらから戻る?で解説)。2026年5月29日に成立した「健康保険法等の一部を改正する法律」により、2026年8月1日の診療分から制度の内容が変わりました。ポイントは次の3つです。
- 70歳未満の1か月の自己負担上限額が、所得区分ごとに約3〜7%引き上げ
- 「年間上限」が新設。8月から翌年7月までの1年間の自己負担額に上限ができ、それを超えた分は戻ってくる
- 多数回該当(長期療養者向けの軽減措置)は据え置き。長く治療が続く人への配慮は維持された
一方で、所得区分をより細かく分ける「第2段階」の見直しが2027年8月(資料によっては2029年8月とするものもある)に予定されているとされており、今回はまだ制度見直しの入り口にあたります。
そもそも高額療養費制度とは(基本のおさらい)
今回の変更点を理解するために、制度の骨格を確認しておきます。
- 同じ月(1日〜末日)に病院・薬局で支払った自己負担額(3割など)が、所得に応じた上限額を超えたら、超えた分が払い戻される
- 上限額は年収(正確には会社員は標準報酬月額、国保は旧ただし書所得)によって「ア〜オ」の5段階に分かれる
- 同じ世帯・同じ保険に入る家族の医療費は合算できる(70歳未満は2.1万円以上の自己負担分のみ)
- 事前に限度額適用認定証を取得するか、マイナ保険証を使えば、窓口では最初から上限額しか払わなくて済む
2026年8月の改正で変わったのは、この上限額そのものの金額と、新しい「年間上限」の仕組みです。所得区分で分かれる基本構造や窓口での手続き方法は変わっていません。
月額の自己負担上限はいくら上がった?(70歳未満・新旧比較)
70歳未満の1か月の自己負担上限額は次のように変わりました。複数の専門家解説サイト・自治体の案内をもとに整理した金額です。
| 所得区分(年収目安) | 改正前(〜2026年7月診療分) | 改正後(2026年8月診療分〜) | 増加額 |
|---|---|---|---|
| ア:約1,160万円〜 | 252,600円+1% | 270,300円+1% | +17,700円 |
| イ:約770〜1,160万円 | 167,400円+1% | 179,100円+1% | +11,700円 |
| ウ:約370〜770万円 | 80,100円+1% | 85,800円+1% | +5,700円 |
| エ:〜約370万円 | 57,600円 | 61,500円 | +3,900円 |
| オ:住民税非課税 | 35,400円 | 36,900円 | +1,500円 |
「+1%」の部分(医療費が一定額を超えた分に1%を上乗せする計算式)の基準額も、区分ウでは267,000円→286,000円に上がっています。ア・イの基準額も同様に引き上げられたとみられますが、資料によって細かい数字に食い違いがあったため、本稿では区分ウのみ掲載しています。正確な金額は加入する健康保険組合・協会けんぽの案内でご確認ください。
なお、多数回該当(過去12か月に3回以上高額療養費を受けた場合の4回目以降の上限)は据え置きです(例:区分ウ・エは44,400円、区分オは24,600円)。
新設「年間上限」とは何か
今回の改正でいちばん新しい仕組みが「年間上限」です。
- 対象期間は毎年8月〜翌年7月の1年間
- この1年間に自己負担した金額(月ごとの上限に届かなかった分も含む)を積み上げ、年間上限額を超えた分は戻ってくる
- 毎月ギリギリ上限に届かないけれど通院が多い人(持病の定期的な治療など)への新しいセーフティネット
具体的な金額は、確認できた範囲では区分アが約162万1,800円、区分エが約36万9,000円です。区分イ・ウ・オについても年間上限は新設されていますが、解説サイトごとに掲載している金額が数万〜十数万円単位で食い違っていたため、本稿では確定額を掲載しません。正確な年間上限額は、8月以降に加入する健康保険組合・協会けんぽ・市区町村から届く通知や、問い合わせで確認してください。
年間上限の還付は、通常は保険者側で自己負担額を把握して自動的に案内される見込みですが、国保など保険者によって運用が異なる可能性があります。長期の通院・治療がある人は、念のため加入先に確認しておくと安心です。
シミュレーション:年収別にいくら変わる?
具体的な例で、改正前後の違いを確認しましょう。
- ケースA:年収500万円の会社員、1か月の医療費総額が100万円(窓口負担30万円)
所得区分はウ。改正前の上限は87,430円(80,100円+(1,000,000-267,000)×1%)、改正後は92,940円(85,800円+(1,000,000-286,000)×1%)。自己負担が約5,500円増え、戻ってくる高額療養費はその分少なくなります。 - ケースB:年収300万円のパート、入院して医療費総額40万円(窓口負担12万円)
所得区分はエ。改正前の上限は57,600円、改正後は61,500円で自己負担が3,900円増。それ以外の計算方法は変わりません。 - ケースC:住民税非課税の年金受給者、通院が多く毎月の自己負担が3万円前後
所得区分はオ。月ごとの上限(35,400円→36,900円)には届かないため毎月の変化は小さいですが、1年間の自己負担を積み上げると「年間上限」の対象になり得るのが今回の改正のポイントです。
※いずれも制度の仕組みを理解するための簡易シミュレーションです。実際の所得区分の判定や上限額は、標準報酬月額(会社員)や旧ただし書所得(国保)など個別の基準によるため、正確な金額は加入先の保険者にご確認ください。
70歳以上の方・住民税非課税世帯への配慮
70歳以上の方は、現役並み所得・一般・低所得者といった別の所得区分が使われ、外来だけにかかる個人ごとの上限(外来特例)など70歳未満にはない仕組みもあります。2026年8月の改正で70歳以上の上限額も見直されたと報じられていますが、具体的な金額は資料によって食い違いがあり、本稿では確定額の掲載を見送ります。70歳以上の方・そのご家族は、加入している後期高齢者医療制度や健康保険組合からの案内で確認してください。
住民税非課税世帯(区分オ)については、多数回該当の金額(24,600円)が維持され、月額上限の増加額も+1,500円と他の区分より小さく抑えられています。低所得者への配慮は、今回の引き上げの中でも維持されている設計です。
窓口での手続きは変わる?
手続きの流れ自体は改正前と変わりません。
- 入院や高額な外来診療の予定がある人は、事前に限度額適用認定証を加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合・国保)に申請する
- またはマイナ保険証を使い、医療機関の窓口でオンライン資格確認に同意すれば、認定証なしでも上限額が適用される
- 準備ができていなかった場合は、いったん窓口で3割などを支払い、後日高額療養費支給申請書を保険者に提出して差額を受け取る(時効は診療月の翌月から2年)
変わったのは上限額の金額と、1年間での合算の仕組みだけで、申請方法そのものの変更点は確認できませんでした。不安があれば、加入する保険者に一度確認しておくと安心です。
今すぐやることチェックリスト
- 自分の所得区分(ア〜オ)を確認する:給与明細の標準報酬月額、国保なら前年の所得をもとに確認
- 8月以降の医療費の請求書・領収書を見直す:上限額が上がった分、払いすぎていないか確認
- 通院が多い人は「年間上限」の対象になりそうか考える:毎月の負担が上限に届かなくても、1年間の積み上げで戻る可能性がある
- 限度額適用認定証の有効期限を確認:すでに持っている人も、記載内容が更新されている場合がある
- マイナ保険証を使っていない人は切り替えを検討:認定証の申請なしで上限額が自動適用される
- 不明点は加入している保険者に確認する:所得区分の判定や年間上限の金額は個別性が高いため、自己判断より窓口確認が確実
Q&A よくある疑問
Q:何か申請しないと新しい上限額は適用されない?
A:申請は不要です。2026年8月1日以降の診療分から自動的に新しい上限額が適用されます。
Q:7月以前に入院していて、8月にまたいで支払いがある場合は?
A:診療月(請求の単位となる月)で区切られるのが基本的な考え方で、7月診療分は改正前、8月診療分は改正後の上限額が適用されます。具体的な扱いは保険者にご確認ください。
Q:年間上限は自動的に計算してもらえる?
A:基本的には保険者側で自己負担額を把握し、上限を超えたら案内・払い戻しが行われる見込みですが、保険者によって運用が異なる可能性があるため、心当たりがある人は問い合わせておくと安心です。
Q:2027年にまた変わるって本当?
A:報道では2027年8月(一部資料では2029年8月)に所得区分をさらに細かく分ける「第2段階」の見直しが予定されているとされています。具体的な区分数・金額はまだ確定していないため、今後の公表を待つ必要があります。
まとめ ─ 2026年10月時点の要点
- 2026年8月1日の診療分から、高額療養費の1か月の自己負担上限額が約3〜7%引き上げ(区分ウは80,100円+1%→85,800円+1%など)
- 新しく「年間上限」(8月〜翌年7月の1年間の自己負担に上限を設ける仕組み)が新設(確認できた金額は区分アで約162万1,800円、区分エで約36万9,000円)
- 多数回該当(長期療養者の軽減)は据え置き、住民税非課税世帯への配慮も維持
- 限度額適用認定証・マイナ保険証による窓口の手続き自体は変わらない
- 2027年8月(一部資料では2029年8月)以降にさらに所得区分の細分化が予定されているとされ、今後も見直しが続く見込み
- 正確な所得区分・上限額・年間上限の金額は、加入している健康保険組合・協会けんぽ・市区町村の国保窓口で必ず確認を
当サイトでも、2027年度以降の第2段階の見直し内容が明らかになり次第、続報を追いかけていきます。
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